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ルテインとは?その効果・副作用と適切な1日摂取目安量

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私たちは、仕事やプライベートでパソコンやスマートフォンを日常的に利用していることが多く、目を酷使しています。これらの機器から発せられる有害な光は、目に悪い影響を及ぼします。

このような現代社会において、打って付けの成分があります。その成分とは「ルテイン」です。ルテインは、緑黄色野菜などに含まれる色素であり、有害な光から目を保護するほか、加齢による目の病気に対する効果も期待されています。

しかし、ルテインに対する消費者の知名度は、まだそれほど高くないようです。
そこで、この記事では、ルテインの基本的な情報とその効果、副作用などについてご説明したいと思います。

ルテインとは?~基本情報~


まず、ルテインの基本的な情報をご説明しておきたいと思います。

ルテインとはどんなもの?

「ルテイン」は、カロテノイドと呼ばれる天然色素の一種であり、黄色の色素です。ルテインは、ほうれん草、にんじん、かぼちゃ、ケール、ブロッコリーなどの緑黄色野菜、とうもろこし、植物の緑葉、マリーゴールドなどの黄色い花の花弁、果実、卵黄に多く含まれています。

特に、緑黄色野菜に多く含まれており、ほうれん草100g当たり10.2 mg、ブロッコリー100g当たり1.9 mgのルテインが含まれています。

カロテノイドとは?

ルテインは、カロテノイドの一種とご説明しましたが、「カロテノイド」とは一体どのような物質なのでしょうか。

「カロテノイド」は、自然界に存在する色素であり、現在750種類以上が知られています。身近な例としては、花弁の黄色・橙色、紅葉の赤色・黄色、野菜や果実の黄色・橙色・赤色のほか、サケの切り身やイクラの赤色、加熱したタイやエビの赤色などが挙げられます。

ヒトの血中に検出される主なカロテノイドとしては、β‐カロテン、α‐カロテン、リコペン、ルテイン、ゼアキサンチン、β‐クリプトキサンチンが知られています。

目に多く存在するルテイン

ルテインは、人間の体に存在し、主に、眼底の網膜の中心部(黄斑部;おうはんぶ)や水晶体、皮膚、乳房、大腸に存在しています。

これらの部位の中でも、ルテインは、黄斑部に多く偏在しています。網膜とその中心にある黄斑部は、視機能に重要な役割を果たしています。色彩に鋭敏な錐体細胞という細胞が高密度に存在する黄斑部は、視力や色覚をはじめとする視覚の多くを担う部位です。

黄斑部や網膜に存在するルテインは、紫外線やブルーライト(スマートフォン、パソコン、テレビなどのディスプレイから発せられる有害な青色の光)のような高エネルギーの光を吸収し、また、このような高エネルギーの光によって発生する活性酸素を消去することができます。この作用によって、ルテインは網膜の変性を防ぎ、目の健康を維持すると考えられています。

お茶にも含まれているルテイン

お茶には、抗酸化作用を示すカテキン類、リラックス効果の高いテアニンなど、多くの機能性成分が豊富に含まれていることが既に明らかとなっています。

このような既知の機能性成分のほかに、お茶には、ルテインも多く含まれることが分かっています。特に、日光を遮って栽培(被覆栽培)される、玉露やかぶせ茶に豊富に含まれるそうです。その含有量は、ほうれん草と同等であることが報告されています。

ルテインの必要性

上述したように、ルテインは人間の体内に存在していますが、体内で合成することができません。ルテインは、食物などから摂取されると、小腸の輸送体を介して体内に取り込まれ、その後、血中に移行して、体内に蓄積されます。

体内のルテインは、加齢とともに、そして、紫外線を浴びたり、たばこを吸ったりすることにより、少しずつ消費され、減少していきます。これまでの研究では、黄斑変性症や白内障をはじめとする眼病が加齢に伴って増加するのは、体内のルテイン量が加齢とともに減少していくことに関係がある可能性も示唆されています。

したがって、目や体の健康を維持するために、ルテインを日頃の食事やサプリメントから継続的に摂取することが大切です。

食事からルテインを効率的に摂取するにはどうすればいいの?

ルテインを食事から取る場合、どのようにすれば効率的に取れるのでしょうか。

ルテインは、水に溶けにくく油(脂)に溶けやすい脂溶性成分です。このため、食事から摂取するには、油を利用するなど調理に工夫が必要となります。油と一緒にルテインを摂取することにより、ルテインが油に溶け込み、吸収が良くなると考えられています。

また、先の第1.4項でご説明したように、ルテインはお茶にも多く含まれていますが、茶葉をお湯で浸出しても、ルテインは溶けて出てきません。このため、お茶として飲用するのではなく、茶葉の粉末を、油を含む食品に添加するなどして効率的に摂取する必要があります。

ルテインの4つの効果


次に、ルテインの代表的な効果についてご説明します。

①加齢黄斑変性症を予防する効果

「加齢黄斑変性症(加齢性黄斑変性症)」は、加齢とともに黄斑部の働きに異常が起こり、視力が低下する病気です。日本では、高齢者が失明する原因の一つです。代表的な症状は、物体の大きさ、色彩などが違って見えたり、さらには、物が動いたり曲がったりするように見えるというものです。

1日10 mgのルテインを、単独または他の抗酸化物質やビタミン、ミネラルと併用して12か月間摂取させたところ、加齢黄斑変性症の症状が改善されたというアメリカの研究報告があります。

また、イギリスおよびオランダの施設において、1日10 mgのルテインエステルを12か月間摂取させたところ、視力低下の抑制が認められたという報告もあります。

さらに、ルテインは、黄斑変性症の初期症状でもある、飛蚊症(ひぶんしょう)にも効果的であるとされています。なお、飛蚊症とは、視界に黒い点や虫のようなものが飛んでいるように見える症状をいいます。

②白内障を予防する効果

「白内障」は、目の水晶体が加齢とともに白く濁って視力が低下する病気です。「水晶体」は、目の中でカメラのレンズのような働きをする組織で、外からの光を集めてピントを合わせる働きを有しています。

水晶体は通常、透明な組織ですが、白内障になると白く濁ってしまうため、集めた光が眼底に十分に届かなくなります。このため、視界のかすみ、視力の低下、光をまぶしく感じるといった症状が現れてきます。

ルテインは、眼球に入ってくる有害な光線を吸収するため、白内障の発症リスクを低減する効果もあるとされています。なお、ルテインを豊富に含む緑黄色野菜の摂取頻度が高くなるほど、白内障発症のリスクが抑えられることも明らかとなっています。

③コントラスト感度を改善する効果

「コントラスト感度」とは、はっきりとした輪郭を持たず、しかも濃淡のはっきりしない模様を識別できる能力を評価したものです。コントラスト感度は、45歳を過ぎると急激に低下することが分かっています。

中国人の健康なドライバー(平均年齢36.5歳前後)を対象とした試験において、1日20 mgのルテインを12か月間摂取させたところ、網膜中心部の黄斑色素光学密度の増加、薄明所および明所でのコントラスト感度の上昇、まぶしさによる見えにくさの改善が認められました。

④美肌効果

ここまで、ルテインによる目の効果をご説明してきました。しかし、ルテインは人間の目だけでなく、皮膚にも存在しています。皮膚に含まれているルテインには、酸化や光のダメージから肌を守る作用があります。

乾燥肌のイタリア人女性(48~59歳)を対象とした臨床試験において、ルテイン3 mg、α-リポ酸2.5 mg、アスコルビン酸45 mg、トコフェロール5 mgを含むサプリメントを1日2錠、8週間摂取させたところ、赤血球中の活性酸素量の低下、皮膚の水分量および脂質量の増加、皮膚の過酸化脂質量の低下が認められました。なお、過酸化脂質は、肌にくすみやしみを発生させる原因となる物質です。

ルテインの副作用について

プレゼン
ルテインの副作用については、これまで報告されていないようです。

また、経口により適切に摂取する場合は、おそらく安全であるとされています。そして、妊娠中や授乳中の使用についても、通常の食品に含まれる量を経口により適切に摂取する場合であれば、おそらく安全であるとされています。

なお、62歳の日本人女性がルテインを毎日、2年間摂取したところ、柑皮症を発症したという報告があります。「柑皮症」は、カロテノイドの過剰な摂取によって皮膚が黄色くなる病気です。したがって、この事例も、ルテインの摂取量は不明とのことではありますが、過剰摂取によるものだと考えられます。

そして、サプリメントとしてルテインとβ‐カロテンを同時に摂取すると、ルテインの生体利用性が低下し、また、β‐カロテンの生体利用性にも影響を及ぼす可能性があるという報告もあります。

ルテインの適切な1日摂取目安量について

健康食品
ルテインの1日の摂取目安量は、6 mgとされています。また、加齢黄斑変性症の予防の場合、1日に必要な推奨摂取量は、6 mgといわれています。ルテイン6 mgを、ほうれん草の量として換算すると、米国ではサラダボウルに5杯などといわれています。しかし、実際にこれだけの量を食べるのは大変です。健康食品やサプリメントを利用することにより、効率的に摂取するのが賢明といえます。

健康食品やサプリメントからルテインを摂取する場合は、商品のパッケージや説明書に記載されている情報(用法、用量など)に目を通し、これらに従うことが重要です。

ルテインの効果持続時間について

効果持続時間
ルテインをサプリメントとして毎日30 mgを140日間にわたって摂取させ、その効果を検討した研究がアメリカから報告されています。これによれば、摂取開始から20〜40日後に黄斑部の色素量が増加し始め、摂取を中止した後も40〜50日間、黄斑部の色素の増加が持続したとされています。

また、先の第1.5項でご説明したとおり、体内のルテインは、紫外線を浴びたり、たばこを吸ったりすることにより、少しずつ消費され、減少していきます。このため、効果を持続させるには、喫煙や強力な直射日光を極力避け、黄斑部などの体内のルテインが消費され減少するのを防ぐことも必要と思われます。

ルテインを含む機能性食品10例

科学的根拠(エビデンス)に関する情報を届け出ることにより、企業の責任において機能性をパッケージに表示することができる「機能性表示食品制度」がスタートしました。

この機能性表示食品のうち、「機能性関与成分」が「ルテイン」である10例を以下にご紹介します。

なお、「表示しようとする機能性」に、ルテインによる効果が示されています。この内容にも注目しましょう。

1.「えがおのルテイン」(株式会社えがお)

表示しようとする機能性:「本品には、ルテインが含まれます。ルテインは、網膜中心部の色素量を増やす働きがあり、日常生活で受ける光の刺激から目を保護し、目の健康を維持することが報告されています。」

1えがおのルテイン
引用先:http://www.241241.jp/products/supplement/lutain/

2.「メラックス」(八幡物産株式会社)

表示しようとする機能性:「本品にはルテインが含まれます。ルテインには目の黄斑部の色素量を維持する働きがあり、ブルーライトなど光の刺激からの保護や、コントラスト感度の改善(ぼやけの解消)によって、目の調子を整える機能があることが報告されています。」

2メラックス
引用先:http://www.amazon.co.jp/dp/B017CGOHCG

3.「ルテイン」(小林製薬株式会社)

表示しようとする機能性:「本品にはルテインが含まれます。ルテインは網膜の黄斑色素密度を増やし、目の黄斑部の健康を維持することが報告されています。」

3ルテイン
引用先:https://www2.kobayashi.co.jp/products/0/51410.html

4.「ネイチャーメイド ルテイン」(大塚製薬株式会社)

表示しようとする機能性:「本品にはルテインが含まれます。ルテインは、目のコントラスト感度(色の濃さの判別力)をサポートすることが報告されています。」

4ネイチャーメイドルテイン
引用先:http://www.otsuka.co.jp/nmd/product/item_303/

5.「めばえ」(八幡物産株式会社)

表示しようとする機能性:「本品にはルテインが含まれます。ルテインには目の黄斑部の色素量を維持する働きがあり、ブルーライトなど光の刺激からの保護や、コントラスト感度の改善によって、目の調子を整える機能があることが報告されています。」

5めばえ
引用先:http://www.yawata.tv/p/320900

6.「ルテインa」(小林製薬株式会社)

表示しようとする機能性:「本品にはルテインが含まれます。ルテインには、目の黄斑部の色素量を増やすこと、コントラスト感度を正常に保ち視覚機能を維持することが報告されています。」

6ルテインa
引用先:http://www.kobayashi.co.jp/seihin/lutein/index.html

7.「ひとみの恵 ルテイン40」(株式会社ファイン)

表示しようとする機能性:「本品にはルテインエステルが含まれます。ルテインエステルには網膜中心部に蓄積する色素濃度を高め、日常生活で受ける光の刺激から目を保護する機能があることが報告されています。」

7ひとみの恵ルテイン40
引用先:http://www.fine-kagaku.co.jp/item/kinousei/8096.html

8.「特濃ミルク8.2 カボチャミルク」(味覚糖株式会社)

表示しようとする機能性:「本品にはルテインが含まれます。ルテインは長時間のコンピューター作業などによって低下したコントラスト感度(色の濃淡を判別する力)を改善することが報告されています。」

8特濃ミルク8.2 カボチャミルク
引用先:http://www.uha-mikakuto.co.jp/kinousei/tokunoumilk/

9.「クッキリ一番」(サニーヘルス株式会社)

表示しようとする機能性:「本品にはルテイン、ゼアキサンチンが含まれます。ルテイン、ゼアキサンチンには眼のコントラスト感度(ぼやけの解消によって、はっきりと物を識別する感度)の改善に役立つことが報告されています。」

9クッキリ一番
引用先:http://sunnyhealth.com/products/01/index.html?p_cd=03990

10.「ルテイン プロ」(株式会社わかさ生活)

表示しようとする機能性:「本品にはルテイン、ゼアキサンチンが含まれます。ルテイン、ゼアキサンチンには目の黄斑部の色素密度を上昇させることで、光の刺激を和らげ、コントラスト感度を改善するため、目の調子を整えることが報告されています。」

10ルテインプロ
引用先:http://www.wakasa.jp/kinousei/product/luteinpro.html

まとめ

ご説明してきたとおり、ルテインを効率的かつ継続的に摂取するには、健康食品やサプリメントを利用するのがよいと考えられます。

加齢黄斑変性症、白内障などの眼病にかかったことがなくても、そして、まだ先の話だから自分には関係ないと思っていても、これらの病気にかかる確率を考えれば、今から予防しておくことが大切で意味があります。このような予防には、ルテインがおすすめです。

ルテインが原料として含まれている健康食品やサプリメントは、各社から販売されています。この機会に利用されてみてはいかがでしょうか。


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