株式会社ファンケルの「えんきん」は中高年の方の目の健康のために作られたサプリメント(機能性表示食品)です。
えんきんは、機能性表示食品の中でも大きな売上をあげ、注目されている商品です。
2016年度は、「えんきん」単体で売上35億円との報告が出ています。新聞やテレビなども含め、積極的に広告展開したことで大きな売上につながりました。
そんな「えんきん」の詳細を見ていきましょう。
商品情報
引用先:えんきん商品ページ
<原材料名>
食用油脂、DHA含有精製魚油、アスタキサンチン含有ヘマトコッカス藻エキス、黒大豆種皮エキス、ビルベリーエキス、加工デンプン、グリセリン、ゲル化剤(カラギナン)、ミツロウ、ルテイン・ゼアキサンチン含有マリーゴールド色素、酒石酸、リン酸ナトリウム、酸化防止剤(ビタミンE)
基本情報
届出番号 | A7 |
商品名 | えんきん |
届出者名 | 株式会社ファンケル |
食品の区分 | ■加工食品(■サプリメント形状) |
機能性関与成分名 | ルテイン アスタキサンチン シアニジン-3-グルコシド DHA |
表示しようとする機能性 | 本品にはルテイン・アスタキサンチン・シアニジン-3-グルコシド・DHA が含まれるので、手元のピント調節機能を助けると共に、目の使用による肩・首筋への負担を和らげます。 |
当該製品が想定する主な対象者 | 健康な成人男女 |
一日当たりの摂取目安量 | 2粒 |
一日当たりの摂取目安量当たりの機能性関与成分の含有量 | 機能性関与成分名:ルテイン、アスタキサンチン(フリー体として)、シアニジン-3-グルコシド、DHA 含有量:ルテイン…10mg、アスタキサンチン(フリー体として)…4mg、シアニジン-3-グルコシド…2.3mg、DHA…50mg |
安全性に関する基本情報
安全性の評価方法 | ■安全性に関する既存情報の調査により、十分な安全性を確認している。 |
安全性に関する届出者の評価 | ① 喫食実績による食経験の評価 一日の摂取量としてルテイン 6 ㎎、アスタキサンチン 4 ㎎、シアニジン‐3‐グルコシド 2.3㎎、DHA 50mg を含む製品は 2007 年から販売を開始し、直近の 3 年間では、約 125 万製品[30 日分(内容量23.2g/60 粒)、15 日分(内容量 11.6g/30 粒)]の販売実績があります。製品での健康被害の発生について確認しました。購入された方からの湿疹の発生など弊社への連絡の内容を解析しました。その結果、重篤なものはなく、また、製品の購入者のみに発生している症状のものではなく、弊社で発売するサプリメント全般に共通した内容であること、製品のみの摂取ではなく、その他のサプリメントや食事、さらには体調不良など色々な要因が関係しており、製品が確実に関係すると特定できるものではありませんでした。そのため、個人の体質や体調による影響が大きく影響したものであると判断しました。よって、当該製品が原因と考えられる健康被害の発生は、確認されませんでした。ただし、届出の製品と喫食実績で調査対象とした製品でルテイン量に違いがありましたので、既存情報から喫食経験および安全性に関する情報を確認しました。 ② 既存情報を用いた食経験及び安全性試験の評価 上記食経験のある製品では、ルテイン配合量が 6㎎ですが、届出の製品はルテイン配合量を10mg/日へ増やしています。ルテインの安全性に関する総合評価としては、2 次情報(独立行政法人 国立健康・栄養研究所の「健康食品」の安全性・有効性情報データベースホームページ)に次の記載がありました。 『62 歳女性 (日本) がルテインを毎日、2 年間摂取したところ、柑皮症を発症した』という一つの報告がありましたが摂取量は不明と記載されていました。他に懸念される健康被害はありませんでした。 また、『第 63 回FAO/WHO 合同食品添加物専門家会議「FAO/WHO Joint Expert Committee on Food Additives(JECFA)」 (2004.6) において添加物としての再評価が行われており、ルテインとゼアキサンチンの合計の ADI(Acceptable Daily Intake:一日摂取許容量)は 0~2 mg/kg 体重とされております。』 これは体重 50kg の人では 100 ㎎に相当し、当該製品配合量の 10 倍であるため安全であると考えられます。 以上のことから、健康被害等の発生など問題はないと判断しました。 |
機能性に関する基本情報
機能性の評価方法 | ■最終製品を用いた臨床試験(人を対象とした試験)により、機能性を評価している。 |
機能性に関する届出者の評価 | 標題: 中高年男女に対する「えんきん」摂取によるピント調節機能への効果について 目的: 日常的に眼の疲れを感じている中高年男女を対象とし、当該製品(以下「えんきん」と記載します)を 4 週間摂取した人が、成分を含まないカプセル(以下「プラセボ」と記載します)を摂取した人と比べて、目のピント調節機能が改善されるか検証することを目的としました。 背景: 年齢を重ねると、眼のピント調節機能が低下し、近い物に焦点(ピント)を合わせることが難しくなります。近年、食品に含まれる成分による目の疲れや眼の機能の改善が、複数報告されています。そこで、中高年男女に対し「えんきん」を摂取することによって、近い距離でのピント調節機能(近点調節力と言います)が改善するか検証を行いました。さらに、目の疲労から来る目のかすみや、肩・首筋のコリといった自覚症状の発生にも関連があると考えられるため、合わせて自覚症状が和らぐか検証を行いました。 方法: 目の疲れを感じている 45~64 歳の男女 50 名に対し、試験(無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験)を行いました。半数には「えんきん」を、半数には「プラセボ」を 4 週間連続摂取いただき、摂取前と摂取 4 週後の近点調節力と自覚症状を調べました。本試験における費用は、株式会社ファンケルが負担しました。その他に特筆すべき利益相反はありません。 主な結果: 「えんきん」摂取群 25 名、「プラセボ」摂取群 25 名、医師が解析できないと判断した方が各群 1 名(計 2 名)でした。摂取 4 週後、ピント調節力の変化は「えんきん」摂取グループが「プラセボ」摂取グループに比べ、有意に高い値[「えんきん」摂取群:1.321±0.394 D(平均値±標準誤差),「プラセボ」摂取群:0.108±0.336 D(平均値±標準誤差), p=0.023]を示し、「えんきん」の近点調節力改善作用が確認できました。また、自覚症状についても、「肩・首筋のこり」と「目がかすむ」で「プラセボ」摂取グループと比較して、有意な改善(p<0.05)が見られました。また、本試験で安全性に関する問題はありませんでした。 科学的根拠の質: 目の疲れを感じている人を対象とした試験となっており、潜在的な選択バイアスはあると考えられます。 |
参考情報
機能性表示食品についてもっと知りたい方はこちらのページを参考にして下さい。
・2015年開始!機能性表示制度とは?健康食品業界が大きく動く第三の制度
・機能性表示食品の広告を作るときの5つの注意点
・機能性表示食品とは?機能性表示食品の意味・定義